鬼滅の刃『無限城編』が世界で記録的ヒット!前作『無限列車編』の海外記録と比較

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

映画「鬼滅の刃」最新作『無限城編(第一章 猗窩座再来)』は、
2025年8月から海外公開され、わずか約1か月半で全世界興行収入約901億円を突破。
「日本映画の全世界興収ランキング」で歴代1位に輝きました。

さらに、北米(アメリカ・カナダ)・韓国・台湾では公開直後から大きな盛り上がりを見せ、その熱狂ぶりがニュースやSNSでも大きく取り上げられました。

思い出されるのは、2020年に社会現象となった『無限列車編』。では、海外でも高い評価を受けた前作と比べて、『無限城編』はどれほどの成果を残しているのでしょうか?

この記事では、『無限城編』の最新の海外記録と『無限列車編』の当時の成績を整理し、両作の違いや世界での反応をわかりやすく紹介します。

この記事でわかること
  • 『無限城編』が海外で達成した記録
  • 前作『無限列車編』の海外での成績
  • 2作品の海外興行収入の違い
  • 世界で広がる「鬼滅の刃」人気とその可能性

ぜひ最後までご覧ください。

鬼滅の刃『無限城編』が世界で記録的ヒット!その理由とは?

Demon Slayer: Infinity Castleの画像

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

『無限城編』は、9月29日までに全世界での総興行収入が 約901億円 に到達しました。
そのうち 日本で350億円、そして海外で約551億円 を占めており、特に海外での伸びが目立ちます。

これまで「日本映画は国内がメインで、海外はおまけ程度」というイメージが強かったのを大きく覆す結果となりました。

さらに各国での公開直後には、日本アニメ映画として歴代No.1となるオープニング記録(=公開直後の成績)を次々と更新。スタートから勢いが止まらず、公開後も各地で快挙を重ねています。

その中でも特に注目を集めたのが、 北米(アメリカ・カナダ)、韓国、台湾 の3つの地域でした。

北米(アメリカ・カナダ)
公開3日で約102億円 → 日本より速いペース

韓国
公開10日で観客300万人突破 → 前作を超える快挙

台湾
歴代興収ランキング6位にランクイン → 口コミで拡大

こうした数字のインパクトに加えて、SNSやニュースでも毎日のように取り上げられ、世界中で大きな盛り上がりを見せました。

では、いったいなぜここまでの大ヒットにつながったのでしょうか。

世界的ヒットの裏側にあった“5つの要因”

『無限城編』がここまで大ヒットした背景には、いくつもの要因が重なっています。その中でも特に大きな影響を与えたのは次の5つです。

  1. 配信サービスによるファン拡大(事前の土台)
  2. 世界規模の知名度アップ(ブランド力)
  3. 物語の盛り上がり(内容の期待値)
  4. 上映環境の拡大(観やすさ)
  5. 前作の成功による土台(ファンの積み上げ)

1. 配信サービスによるファン拡大(事前の土台)

NetflixCrunchyroll(クランチロール)などでテレビアニメ『鬼滅の刃』が配信され、世界中で多くのファンを獲得。公開前から「次は映画館で観たい!」という期待が高まっていました。

Demon Slayerの画像

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

2. 世界規模の知名度アップ(ブランド力)

原作マンガやアニメ配信で人気が広がっていたことを土台に、映画『無限列車編』が社会現象的ヒットとなり、鬼滅の刃は一気に世界規模の知名度を得ました。

3. 物語の盛り上がり(内容の期待値)

今回描かれる『無限城編』は、原作のクライマックス部分にあたります。炭治郎たちと鬼との最終決戦が始まる重要な章であり、ファンにとって「絶対に見逃せない」と強い期待を集めていました。

引用元:アニプレックス チャンネル

4. 上映環境の拡大(観やすさ)

前作より上映館数やスクリーン数が大幅に増え、チケットが取りやすくなったことで、初動の勢いを逃さず多くの観客を取り込むことができました。

5. 前作の成功による土台(ファンの積み上げ)

『無限列車編』で「アニメ映画を劇場で観る楽しさ」を味わったファンが、その感動をSNSで共有し、大きな話題となりました。こうした体験の積み重ねが「次も映画館で観たい」という動きにつながり、今作でも口コミやリピートを生み出してヒットを後押ししたのです。

「鬼滅の刃」海外公開での様子

引用元:鬼滅の刃 公式X

こうした5つの要因が相乗効果となり、『無限城編』は単なる続編ではなく、世界規模で待ち望まれたイベント映画として迎えられたのです。

そして、この土台をさらに大きな成功へと押し上げたのが、ソニーグループによる世界展開の戦略でした。

ヒットを後押ししたソニーグループの戦略

ヒットを後押しした大きな理由のひとつが、ソニーグループによる“総力戦”の配給戦略です。
作品への期待が世界中で高まっていたタイミングで、ソニーが宣伝や上映の仕組みを整えたことで、『無限城編』は大きな注目を集めました。

引用元:Sony Pictures Entertainment

ここでいう「配給」とは、映画をただ作るだけでなく、どの国でどんなふうに上映するのか、どう宣伝して観客に届けるのかまでを含む仕組みのこと。

ソニーグループによる配給戦略

  • グローバルな配給網の活用
  • 公開規模の拡大
  • 世界同時に盛り上げるプロモーション
  • 継続的なファンづくり

この体制がしっかり整っていたからこそ、『無限城編』は世界中で多くの人に届き、結果として記録的ヒットを実現したのです。

グローバルな配給網の活用

「鬼滅の刃」は、集英社(原作)、ufotable(アニメ制作)、アニプレックス(製作出資・企画)の3社が協力して生まれた作品です。

アニプレックスやCrunchyroll(クランチロール)はいずれもソニーグループの傘下にあり、配給の仕組みにもソニーが深く関わっています。

具体的には、国内では東宝とアニプレックスが配給を担当し、海外ではソニーピクチャーズとCrunchyrollが中心となって展開しました。

制作チームと配給チームがそれぞれの役割を分担し、力を合わせたことで、作品の魅力をそのまま世界中に届けることができ、大ヒットにつながったのです。

海外での「鬼滅の刃」の宣伝の様子

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

公開規模の拡大

北米では上映館数を前作の約2倍となる3315館に拡大。さらにインドでは750以上のスクリーンで公開され、日本アニメ史上最大規模を更新しました。

世界同時に盛り上げるプロモーション

公開直前にはハリウッドのTCLチャイニーズ・シアターでプレミアイベントを開催。声優の花江夏樹さんやチャニング・テイタムさんらが参加し、メディアの注目を集めました。

さらにパリやメキシコシティ、シンガポールなどでもイベントを行い、SNSを通じて世界中に話題が広がりました。

海外での「鬼滅の刃」イベントの様子

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

継続的なファンづくり

2023年からは、過去のアニメエピソードを映画館向けに再編集した特別版「ワールドツアー上映」が世界各地で行われました。これによりファンは“劇場で観るワクワク感”を持ち続けることができ、新作への期待も自然と高まっていったのです。

海外での「鬼滅の刃」の宣伝の様子

引用元:鬼滅の刃 公式X

こうした配給や宣伝の戦略が総合的に機能したことで、『無限城編』は世界中で記録的なヒットを実現しました。

では実際に、各国でどのような記録が生まれたのかを見ていきましょう。

各国で生まれた記録

北米(アメリカ・カナダ)で生まれた記録 (9/12 公開)

(※1ドル=145円換算)

北米(アメリカ・カナダ)で生まれた『無限城編』の記録表 (9/12 公開)

公開からわずか3日間で、興行収入は 約102億円(約7,000万ドル) を突破。
日本では100億円に到達するのに8日かかったため、そのスピードを大きく上回る快挙となりました。

その勢いは止まらず、2週目も首位をキープ。北米では本作が「日本映画史上初の週末興収ランキング2週連続1位」を達成し、現地メディアでも大きく取り上げられました。

さらに公開からわずか2週間で、総興行収入は1億ドル(約145億円)を突破し、観客動員数は891万人以上 に達しました。

SNSでも「ハリウッドの大作を抑えて1位なんて信じられない!」と驚きの声があふれ、北米での“鬼滅旋風”の広がりを実感させる結果となりました。

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

韓国で生まれた記録 (8/22 公開)

韓国で生まれた『無限城編』の記録表 (8/22 公開)

公開からわずか10日で観客300万人、18日で400万人を突破し、SNSでは「チケットが取れない」と大きな話題になりました。

その勢いは止まらず、公開39日目の9月29日時点で観客500万人を突破(500万1954人)。

このペースは、日本アニメ映画として韓国歴代No.1のヒット作である『すずめの戸締まり』(最終558万人)を上回る可能性が高いとされています。

実際、『すずめの戸締り』が500万人を突破するのに52日かかったのに対し、『無限城編』はわずか39日で到達。リピーターも続出しており、まさに社会現象級の盛り上がりとなっています。

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

台湾で生まれた記録 (8/8 公開)

(※為替レートは 2025年9月時点で 1NTD ≒ 4.9円前後)

台湾で生まれた『無限城編』の記録表 (8/8 公開)

公開直後から連日満席が続き、口コミを中心に人気が拡大。9月21日の発表では累計37億円を突破し台湾歴代興行収入ランキングで6位にランクインしました。

劇場スタッフも「上映回数を増やしてもすぐ満席になる」と驚くほどの盛況ぶり。観客の反応が重なり合い、会場全体が熱気に包まれる様子はSNSでも数多く共有され、アニメ映画としてトップクラスの盛り上がりを見せました。

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

このように『無限城編』は、北米・韓国・台湾を中心に、「数字の実績」と「会場の盛り上がり」の両方で大きな成果を次々と生み出しました。

ここで気になるのは、この快進撃が前作『無限列車編』と比べてどのように位置づけられるのか、という点です。次は『無限列車編』の海外での実績を振り返ってみましょう。

『無限列車編』が築いた海外記録を振り返る

『無限列車編』のポスター

引用元:鬼滅の刃 公式X

2020年に公開された『無限列車編』は、コロナ禍で映画館の座席数が制限されるなど、映画業界全体が苦戦していた時期に公開されました。そんな逆境の中でも、日本だけでなく世界で“映画史に残るレベル”の成果を残したのです。

最大のポイントは、全世界で 約517億円(5億700万ドル) を記録し、日本映画として当時の世界興収No.1に輝いたこと。

さらに北米では「日本アニメ」にとどまらず、外国語映画として史上最高のオープニング成績を打ち立て、まさに世界的な快挙となりました。

普通なら大ヒットが難しい環境で、ここまでの数字を出したこと自体が異例であり、日本アニメの力を世界に強く印象づけた出来事だったのです。

では、各国で『無限列車編』がどんな記録を残したのかを見ていきましょう。

主な海外での成果

北米(アメリカ・カナダ)で生まれた記録 (2021年 4/23 公開)

公開初週末だけで約22億円(約2,100万ドル)を記録し、外国語映画として史上最高のオープニング成績を達成しました。これは日本アニメに限らず、すべての外国語映画を含めてもNo.1という歴史的な数字です。

その後も勢いは止まらず、最終的には約70億円(約4,900万ドル)に到達。

世界最大の映画市場・北米は、もともとハリウッド作品が圧倒的に強い地域で、日本アニメが成功するのは難しいとされてきました。そんな場所で『無限列車編』が外国語映画全体の記録を塗り替えたことは、まさに世界映画史に残る快挙だったのです。

北米『無限列車編』のラッピング電車

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

韓国で生まれた記録(2021年 1/27 公開)

韓国は「アニメ=子ども向け」というイメージが根強い市場でしたが、コロナ禍で同じ時期に公開された洋画や韓国映画が伸び悩む中、『無限列車編』は異例のヒットを飛ばしました。

公開直後から幅広い層に支持され、最終的には観客動員220万人を突破。日本アニメ映画として当時の韓国でトップクラスの成績を残し、大きな話題となったのです。

引用元:鬼滅の刃 公式X

台湾で生まれた記録(2020年 10/30 公開)

日本公開からわずか2週間後に台湾で上映が始まり、海外公開としては最速のスタートでした。公開直後から話題となり、映画館には若者だけでなく家族連れの姿も多く見られるなど、国全体に熱気が広がりました。

人気は長く続き、最終的な興収は約30.6億円(6.36億NTD)に到達。日本アニメ映画としては珍しいロングラン上映となり、台湾の歴代興行収入ランキングにも名を残しました。

「鬼滅の刃」海外公開での様子

引用元:鬼滅の刃 公式X

『無限列車編』はこのように、各国で当時としては異例の成果を残しました。では、最新作『無限城編』と比べるとどのような違いがあるのでしょうか。次の章では、両作の海外記録を比較していきます。

『無限城編』と『無限列車編』の海外記録を比較

『無限城編』は、海外での興行成績や話題性において前作『無限列車編』を大きく上回り、
日本映画として“世界でトップクラスのヒット作”と言える存在になりました。
(※国内興収では今も『無限列車編』がトップですが、海外では『無限城編』が優勢です。)

その違いをわかりやすく整理すると、次の通りです。

『無限城編』と『無限列車編』の海外成績 比較表

※『無限城編』の全世界興収は9/29時点の記録です。

『無限城編』と『無限列車編』の海外成績 比較表

表を見ても分かるように、『無限城編』はどの地域でも前作を大きく超える成果を残しました

特に北米では、前作『無限列車編』の“最終成績”を、わずか公開3日間で上回るという驚異的なスピードを記録。

韓国では、実写映画が主流でアニメ映画が大ヒットするのは簡単ではないとされてきましたが、『無限城編』は公開からわずか10日で前作の観客動員数を超える快挙を達成。日本アニメ映画の存在感を大きく広げました。

また台湾は、日本のアニメやマンガ人気が強い一方で市場規模は小さいため大ヒットが難しいとされますが、『無限城編』はその中でも前作を上回る成果を残し、存在感をさらに強めました。

海外での「鬼滅の刃」の宣伝の様子

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

両作の成績を振り返ると、これは「日本映画全体の歴史」においても大きな意味を持つ出来事だと分かります。
実際、日本映画の全世界興行収入ランキングでは、『無限列車編』が長らくトップを守ってきましたが、いまは『無限城編』がその記録を塗り替え、新たな1位に立っています。

日本映画の全世界興行収入 TOP5

※日本円は公開当時のレートで計算した目安です。
※順位はドル換算のため、日本円でのランキングと少し差が出る場合があります。

日本映画の全世界興行収入 TOP5

『無限列車編』は2020年10月公開後、わずか2か月半で「その年に公開された全世界の映画の中で興収1位」という快挙を達成しました。日本映画が年間世界No.1に輝いたのは史上初の出来事です。

その成功を踏まえ、『無限城編』はさらに上を行く約901億円という数字を生み出し、前作を約384億円も上回っています。 しかもこの記録は公開からわずか73日目(9/29時点)のもので、今後さらに伸びる可能性を秘めています。

こうして見ると、『無限列車編』が切り開いた海外での成功を、『無限城編』がさらに大きく広げているのがよく分かります。
「鬼滅の刃」はもはや日本だけのブームではなく、世界中で愛されるコンテンツへと成長しました。

この広がりは、シリーズ人気にとどまらず、日本アニメ全体が世界で通用することを示す象徴的な出来事です。今後の続編や新作でも、海外での反応が大きなカギを握ることは間違いないでしょう。

まとめ

『無限列車編』と『無限城編』の比較から見えてきたのは、どちらの作品も日本映画の歴史に大きな足跡を残したということです。
特に海外での成果は、日本アニメの新しい可能性を大きく広げました。

海外での「鬼滅の刃」の宣伝の様子

引用元:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba (English)

『無限列車編』

  • コロナ禍という厳しい環境の中でも、全世界で約517億円を記録
    外国語映画として史上最高のオープニング成績を北米で達成し、日本アニメの存在感を一気に広げました。

『無限城編』

  • 公開からわずか73日で全世界で約901億円を突破。そのうち海外だけで約551億円を記録し、前作を大きく超える勢いを見せました。

『無限城編』の数字はまだ伸び続けており、今後どこまで積み上がるのか大きな注目を集めています。さらに続く第2章、第3章では、また新しい記録が生まれるのか――その期待はますます高まっているのです。