映画『国宝』が、ついに興行収入142億円を突破!
公開から3カ月以上経っても勢いは止まらず、その人気はスクリーンの中だけにとどまりません。
原作小説の大ヒット、ロケ地の“聖地巡礼”、歌舞伎界にも影響が広がっています。
映画をきっかけに、いろんな分野へと広がる「国宝ブーム」が生まれています。
この記事では、映画『国宝』のヒットがどんなふうに話題を広げ、いろんなジャンルに影響していったのかをわかりやすく解説します。
- 映画『国宝』がヒットした理由と広がる影響
- 原作・ロケ地・歌舞伎界で起きた“国宝現象”とは?
- SNSで共感を呼んだ理由と若者に刺さったポイント
ぜひ最後までご覧ください。
映画『国宝』142億円ヒットの影響とは?
映画『国宝』がここまで注目を集め、142億円を超える大ヒットになったのには、大きく2つの理由があります。

「作品そのものの完成度」と
「観た人が誰かに薦めたくなる力」があったことです。
最初からドカンとヒットしたわけではありません。むしろ、公開当初は静かなスタートでした。
しかし観た人たちの間で「観てよかった」「心に残った」といった声が少しずつ広まり、口コミがじわじわと拡大。SNSでも共感の投稿が増えたことで、映画『国宝』は気づけばロングヒットへと成長していきました。
実際、公開から73日かけてゆっくりと100億円を突破。その後も勢いは衰えず、公開から3カ月以上が経った現在では、興行収入は142億円を超える大ヒットとなっています。

さらに、映画『国宝』が第98回アメリカ・アカデミー賞「国際長編映画賞」の日本代表に選ばれたことも、大きな追い風となりました。
このニュースは各メディアで大きく報じられたことで国内外からの注目が一気に高まり、それまで映画の存在を知らなかった層にも認知が広がり、観客の幅が大きく広がりました。

映画をきっかけに原作小説を読んでみたくなった人や、ロケ地に足を運ぶ人、さらには歌舞伎の世界に興味を持つ人も増えていて、作品の影響がスクリーンの外にも広がりを見せています。
このように、映画『国宝』のヒットは「ただのブーム」ではなく、“感動が感動を呼ぶ”理想的な広がり方を見せ、多方面に影響を与えています。
- 100億円突破までに73日 → じわじわと人気を拡大
- 公開3カ月後も人気キープ → 興収は142億円に到達
- 日本代表として世界にもアピール
- 原作・ロケ地・歌舞伎界にも広がる影響
次の章では、映画『国宝』が社会にどのような影響を与えているのかを、ジャンル別に詳しく紹介していきます。
原作が再注目され160万部突破
映画『国宝』の大ヒットをきっかけに、もともと高く評価されていた吉田修一さんの原作小説にも、新たな読者の関心が一気に集まっています。

原作160万部突破のポイント
- 映画の公開をきっかけに、これまで届かなかった層にも原作が届いた
- 映画を観たあとに原作を読む“逆流現象”がSNSで話題に
- 原作を読んでから再び映画を観る人が続出
- 文庫版が6週連続で1位&2位を独占
- 愛蔵版や映画仕様版など、複数の形態で販売されている


文庫版(通常表紙)
一般的に、小説や漫画を原作とする映画では「原作を読んでから映画を観る」という流れが主流です。
しかし『国宝』ではその逆、「映画を観たあとに原作を読む」という珍しい“逆流現象”が起こり、SNSを中心に大きな話題となっています。
さらに、「もう一度あの感動を味わいたい」と原作を読んだあと、再び映画館へ足を運ぶ人も続出。
映画→原作→映画と“往復”する新しい楽しみ方が注目を集めています。
原作が読まれるようになった理由(逆流現象の背景)
- 原作は文芸作品でありながら難解ではない
→小説初心者でも読みやすく、読み進めやすい - 映画の演出が心に残る
→「もっと深く知りたい」と感じさせる余韻がある - 映画が原作の魅力をしっかり引き出している
→ 自然と原作にも興味が向く - SNSで「原作を読んでからもう一度観たら涙が止まらなかった」という声が多数拡散
→読書と再鑑賞が“連鎖”して広がっている
このように、“映画を観てから原作を読む”という“逆流現象”の広がりによって、小説『国宝』(著:吉田修一)にもさらなる関心が集まり、売上も大きく伸びています。
文庫版はオリコン週間文庫ランキングで6週連続1位を記録し、上下巻で1位・2位を独占。
公開後しばらくして100万部を突破し、その後も売れ続け、現在では累計160万部を突破しました。
また、通常の文庫版だけでなく、映画公開を受けて登場した映画ビジュアル仕様の新装版や、“永久保存用”として人気の愛蔵版など、読者の幅広いニーズに応えるさまざまな形で原作が手に取られています。
こうした人気の背景には、「どの形で読むかを選べる楽しさ」もあるのかもしれません。
以下に、文庫版と愛蔵版の主な違いを表にまとめました。
文庫版と愛蔵版の主な違い

こうした多彩な仕様の違いから、読者のニーズに合わせて「気軽に読みたいなら文庫版」「思い出として残したいなら愛蔵版」と、目的に応じて選べるのも『国宝』原作の魅力のひとつです。


愛蔵版(金箔・銀箔の箔押し表紙)
実際、映画を観たあとに原作を手に取る人も多く、SNSでは

- 「原作を読んだことで、映画の深い部分まで理解できた」
- 「小説で描かれていた感情や余白を、映画で確かめたくなった」
- 「何度も読む&観ることで、違う発見があった」
といった声が続出。
“映画→原作→再び映画”という作品との新たな向き合い方が、多くの共感を集めています。
さらに映画『国宝』は、映像美や俳優陣の演技によって「原作を読んでから観ると、さらに泣ける」と評判を呼び、リピーターの来場にもつながっています。

このように、本作は「読む」「観る」だけにとどまらず、心を揺さぶられた観客たちが“実際の場所”に足を運ぶ動きにも発展。
次は、そんな“聖地巡礼”として注目される『国宝』のロケ地を紹介していきます。
ロケ地に聖地巡礼ブーム発生
映画『国宝』の大ヒットをきっかけに、物語の舞台となったロケ地にも多くのファンが足を運ぶようになっています。特に劇中で印象的なシーンが撮影された以下の場所では、実際にその場を訪れ、作品の余韻を楽しむ人が続出しています。
特に話題を呼んでいるのは、以下のような場所です。


兵庫県・出石永楽館(歌舞伎の舞台シーン)
- 例年お盆の来館者は1日あたり約140人 → 今年は930人に増加(約6.6倍)
若い世代の来館も目立ち、楽屋で喜久雄のセリフをまねる人も


滋賀県・びわ湖大津館(劇中では「日乃本座」)
- 喜久雄が触れた“柱”がファンの撮影スポットに
来館者のために記念の札も設置され、訪れる人の注目を集めています
また滋賀県では、こうしたロケ地をめぐる「ロケ地マップ」も好評で、初回2万部の印刷分はすぐになくなり、5回も追加印刷されるほどの人気となっています。


滋賀県ロケ地マップはこちら↓↓↓
http://www.shiga-location.jp/filedir/office/90_1.pdf
こうした動きからも、映画が与えた感動が、現実の世界で新たな“体験”として広がっていることがわかります。
作品の余韻を胸に、舞台となった場所を訪れることで、物語とのつながりをより深く感じるファンが増えているのです。
そして今、その感動は“舞台”の世界にも広がろうとしています。
映画『国宝』で大きな話題となった演目「二人藤娘」が、実際に歌舞伎座で上演されることが決まり、再び注目を集めているのです。
映画で話題「二人藤娘」歌舞伎座で上演へ
映画『国宝』の中でも、とくに印象に残る名シーンのひとつが、主人公・喜久雄(吉沢亮さん)とライバル・俊介(横浜流星さん)が息を合わせて美しく舞う「二人藤娘(ににんふじむすめ)」の場面です。
その「二人藤娘」が、2025年10月に福岡・博多座と京都・南座で、実際の歌舞伎公演として上演されることが決まりました。

「市川團十郎 特別公演」の夜の部にて、「Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界」と題された演目の一つとして披露されます。映画で感動したあのシーンを、生の舞台で見られるチャンスに、早くも話題となっています。

「二人藤娘」は、春の藤の花が咲く風景を背景に、2人の踊り手が娘の姿に扮し、恋する気持ちや切ない思いをしなやかな踊りで表現する、華やかで美しい舞踊です。
映画では、この演目を通して喜久雄と俊介の関係性や心の成長が描かれ、観る人の心に深く残る名シーンとなりました。
そんな感動のシーンを、今度は“本物の歌舞伎”で体感できるというのは、映画ファンにとっても歌舞伎ファンにとっても特別な体験となりそうです。


ここからは、実際に上演される「二人藤娘」の公演情報をまとめてご紹介します。
「二人藤娘」の公演情報
市川團十郎 特別公演


- 演目:「二人藤娘」
映画で印象的に描かれた、恋する気持ちや切なさを表現した踊りが上演されます。 - 出演:大谷廣松さん × 中村虎之介さん
映画で喜久雄と俊介が演じたこの演目を、実際の舞台では注目の若手歌舞伎俳優である2人が演じます。
※市川團十郎さんは別演目で出演されます。 - 日程・場所:博多座/南座 【夜の部】
① 福岡・博多座:10月1日(水)〜6日(月)
② 京都・南座:10月10日(金)〜26日(日)
このように、映画で話題となった演目が、実際の歌舞伎の舞台で再び命を吹き込まれることで、作品の世界観がスクリーンの外へと広がっていくのを感じます。
さらに、「二人藤娘」の上演が決まったことで、映画を通じて歌舞伎に関心を持つ人が増えているのも注目すべきポイントです。
次の章では、そんな映画『国宝』がSNSを通じてどのように共感を広げ、若い世代の心をつかんでいったのかをご紹介していきます。
SNSで共感拡大!若者の心をつかんだ『国宝』
映画『国宝』が若い世代に強く支持されたのは、「自分と重なる」と感じられるストーリーと、SNSでの共感の広がりがあったからです。
もともとは「中高年層向けの作品」と見られていましたが、いざ公開されてみると、10代や20代の観客がじわじわと増加。SNSでの口コミが広がったことで、若者の心にも深く届く作品へと成長していきました。
若者の心に響いた理由
- 「伝わらない苦しみ」や「報われない努力」に共感できる物語
自分の気持ちを代弁してくれるように感じた、という声が目立ちました。 - 感情を抑えた“静かな演技”がリアル
派手な表現ではなく、じんわりと響く演技が「かえって泣けた」と話題に。 - SNS上での共感コメントが続出
「自分と重なった」「まるで自分のことのよう」といった感想が多く、口コミが次々に拡散。 - TikTokやXでの考察・感想動画が後押し
レビューや感想が可視化されたことで、作品を“観てみたい”という気持ちがさらに高まりました。

たとえばSNSでは…

- 「こんなに静かに泣いた映画、久しぶり」
- 「セリフじゃなく“間”で泣かせるなんて…すごい」
- 「ずっと悩んでたこととリンクして、帰り道に涙が止まらなかった」
など、心の奥に触れるような感想が多く見られました。「うまく言葉にできなかった気持ちを、この映画が代わりに語ってくれた」と感じた人も多かったようです。
まとめ:若者にとって“今の自分”に重なる作品だったから
感情の動きに敏感で、共感を大切にする若者たちにとって、『国宝』はただの伝統芸能を描いた作品ではなく、「今を生きる自分の気持ち」にそっと寄り添ってくれる映画として、若い世代の心にも響いたのかもしれません。
SNSという共感の場を通じて、作品の想いは静かに、けれど確実に広がっていったのです。
まとめ|映画『国宝』が生んだ共感と行動の連鎖
映画『国宝』は、ただの話題作では終わらず、観た人の心に深く残る“体験”として語られる作品となりました。


その広がりの背景には、さまざまな要素が重なっています。
- 原作小説の持つテーマ性が、世代を超えて共感を呼んだ
- 歌舞伎の世界を舞台にしながらも、誰もが共感できる人間ドラマとして描かれていた。
- 主演俳優の繊細な演技と、映像・音楽の美しさが高く評価された
- SNSでの感想や考察が次々とシェアされ、観客層を広げる連鎖が生まれた
こうして『国宝』は、エンタメを超えて「人の心に寄り添う文化的作品」として、多くの人に受け入れられました。
誰かの感動が、次の誰かの背中を押す——そんな“共感の連鎖”が、ヒットの原動力になったのかもしれません。